- いつから勉強を始めたらいいの?
- どれくらいの期間がかかる?
- 1日何時間勉強したらいい?
- 1日のスケジュールは?
- スケジュールってどう立てたらいいの?
- 効率的に合格する方法ってある?
こんな悩みにお答えします。
せっかく中小企業診断士を目指して勉強するなら、挫折したくないですよね。合格したいですよね。
挫折の大きな原因は、「無理」や「無駄」にあります。やみくもに進むのは挫折のもと。「無理なく、無駄なく」勉強して合格できるのが最高。そのためのキモとなるのが、スケジュールです。
はじめにお伝えすると、スケジュールに「唯一の正解」はありません。ただ、効率的に合格するための「スケジュールの立て方」や「時間の使い方」はあります。
そして、これは感覚的なものですが、合格できるかどうかは「計画・スケジュール」でほぼ決まると私は思っています。(それくらい大事なことなので、この記事は長文です)
ここでは、冒頭の悩みに答えつつ、「独学スケジュールの立て方」について、詳しくお伝えしていきます。自分に合ったスケジュールを立てて、効率よく合格を目指しましょう!
目次
勉強時間かんたん早見表
スケジュールは、①いつの試験での合格を目指すか、②そのためにいつ勉強を始めるか、③1日・1週間・1ヵ月にどれだけ勉強時間を確保できるか、④確保できた勉強時間に何をどれだけやるか、によって決まります。
このうち「③勉強時間」は、仕事を辞めて勉強に専念でもしない限り、そう大きくは変動しません。ここでは、勉強時間を次のとおりと仮定して、受験日までの総勉強時間を早見表にまとめてみました。
- 平日2時間
- 休日5時間
- 1週20時間(平日2時間×5日、休日5時間×2日)
- 1ヵ月80時間(1週20時間×4週、予備日2〜3日)
- 直前の2ヵ月のみ、1ヵ月100時間(休日2.5時間追加)
個人差はありますが、割と現実的な数字だと思います。
- 勉強時間かんたん早見表
例年、5月下旬が受験申込締め切り、8月上旬が1次試験です(2020年度は前倒しになる見込み)。この表では「X2年の8月上旬」に試験があるとして、勉強期間を最長1年2ヵ月(14ヵ月)、最短1ヵ月としています。
開始月 | 所要月数 | 総勉強時間 |
---|---|---|
X年6月 | 14ヵ月 | 1160時間 |
X年7月 | 13ヵ月 | 1080時間 |
X年8月 | 12ヵ月 | 1000時間 |
X年9月 | 11ヵ月 | 920時間 |
X年10月 | 10ヵ月 | 840時間 |
X年11月 | 9ヵ月 | 760時間 |
X年12月 | 8ヵ月 | 680時間 |
X2年1月 | 7ヵ月 | 600時間 |
X2年2月 | 6ヵ月 | 520時間 |
X2年3月 | 5ヵ月 | 440時間 |
X2年4月 | 4ヵ月 | 360時間 |
X2年5月 | 3ヵ月 | 280時間 |
X2年6月 | 2ヵ月 | 200時間 |
X2年7月 | 1ヵ月 | 100時間 |
1次試験合格までの平均勉強時間が1000時間と言われる中小企業診断士ですが、ちょうど1年前に勉強を始めると1000時間です。
独学合格には、どれくらいの期間がかかる?
上の表にあるとおり、仮に1000時間勉強するなら1年。600時間勉強するなら7ヵ月です。
必要な勉強時間には個人差がある
当然ながら、必要な勉強時間には個人差があります。600時間で合格する人もいれば、1000時間以上かかる人もいます。
上の表は、あくまでも「今から始めたら、どれくらい勉強できそうか」または「今の自分にとって必要な勉強時間から逆算して、いつまでに始めればいいか」をざっくり把握するためにご覧ください。
もちろん、「今の自分にとって必要な勉強時間」なんて正確に割り出すことはできません。が、それでも、中小企業診断士試験の難易度を調べたり、いろんな人の合格体験記を読んだりして、「どれくらいの時間がかかりそうか」という合格までの距離感を感じることはできると思います。
「合格までの期間」は結果論に過ぎない
とは言っても、結局のところ「合格までの期間」は結果論です。なぜなら、当然ながら「受験してみないとわからないこと」だから。
1ヵ月でも合格できてしまうかもしれないし、1年以上勉強しても不合格になるかもしれない。それは、実際に受験してみなければわかりません。
もちろん「何回受けても毎回合格できるレベル」に到達することを目指しますが、「そのレベルに達してからじゃないと受験してはいけない」なんてルールはありません。受ければ受かる可能性はあります。
いつ勉強を始めればいい?
「自分にとって必要な勉強時間」と「1日・1週間・1ヵ月にどれだけ勉強時間を確保できるか」から逆算するというのも1つの方法ではありますが、一番のおすすめは「受験を決めた時」です。
始めるタイミングのおすすめは「受験を決めた時」
受験することを決めたら直ちに計画を立て、スケジュールに落とし込み、勉強を始めた方が良いです。理由は、受験までの残り時間は、受験を決めた時からどんどん減っていくからです。
より多くの時間が残されていた方が、スケジュールにも余裕が生まれますし、勉強時間を多く確保できます。その方が合格確率を高めることができるのは、間違いないでしょう。
それに、「よし、中小企業診断士になろう!」と決めても、具体的な行動を起こさなければ次第に気持ちがしぼみ、フェードアウトすることにもなりかねません。「決めたら即行動」と「行動を継続させる仕組み化」が重要です。
未完了を完了させた方が集中できる
ただし、何か未完了になってしまっている「やらなければいけないこと」があって勉強に集中できそうにないなら、未完了を完了させてから仕切り直すのも有りです。理由は、単純にその方が勉強に集中できるから。
その場合、未完了を完了させる「期限」を必ず決めましょう。期限を決めないと、ズルズルと先送りになりかねないからです。
効率よく合格する「時間の使い方」
効率よく合格するためには、時間を無駄にしてられません。時間の使い方のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 目標を明確にする
- 目標達成のための計画を立てる
- やるべきことをスケジュールに落としこむ
- 勉強をルーティンにする
- 時間帯にあった勉強をする
- すきま時間にやることを決めておく
以下、これらのポイントを踏まえて、独学スケジュールの立て方を解説していきます。
「スケジュール」は「計画」がないと作れない
一番大事なことなので、はじめにお伝えします。
見出しのとおり「スケジュール」は「計画」がないと作ることができません。なぜなら、「スケジュール」は「計画」の一部だから。スケジュールは「計画を遂行するための予定表」のようなものです。
スケジュールと計画の違い
- スケジュール
スケジュールは、「いつ、何を、どれくらい勉強するか」を表します。「時間割」のようなもので、「計画」を遂行可能な形に落とし込んだものです。
- 計画
計画は、「X年度の試験に合格する」という目標を達成するために「いつ、何を、どれくらい勉強するか」を表します。「スケジュール」の概念も含んでいますが、「目標を達成するためにやるべきこと」が明確になっている点で異なります。
計画のないスケジュールは、ただの予定表。目標が達成されるかどうかはわかりません。逆に、スケジュールのない計画は、実行されない「絵に描いた餅」に終わる恐れがあります。「合格という目標を達成するために必要な勉強」を「現実的に遂行できる形」にしていくのがスケジューリングのキモです。
ということで、計画→スケジュールの順に作っていきます。
中小企業診断士の独学スケジュールを作る「7ステップ」
それでは、具体的にスケジュールを作っていきましょう。以下のような流れです。
- 目標とする合格年度を決める
- 過去問をチェックして距離感を掴む
- 科目別の得点計画(目標)を立てる
- 問題集・テキスト(または通信講座)を用意する
- 目標点獲得のために「何をどれだけやるか」決める
- 1日のスケジュール(時間割)を作る
- 受験までのスケジュールに落とし込む
全部で7ステップ。
以下、詳しく解説していきます。
目標とする合格年度を決める【ステップ1】
まず、「何年度の試験の合格を目指すのか」を決めましょう。
今年の試験合格を目指すのか、来年の試験合格を目指すのかでは、計画もスケジュールも大きく異なります。
直近の試験合格を目指すのが吉
たとえ受験までの期間が短かったとしても、直近の試験合格を目指した方が良いと、私は考えます。理由は、次のとおり。
- 受験を先送りしても合格するとは限らない
- 先送りした末に不合格になったら辛い
- 受験さえすれば合格する可能性はある
- たとえ落ちても経験になる
- 科目合格できる可能性は高い
1次試験の合格率は20%程度。1次試験合格者を除く「科目合格者」は全体の50%程度です。つまり、受験者の70%近くが「1次試験合格」または「科目合格」しています。
わざわざ「合格」を先送りする必要はありません。
それに、試験までの期間が短かったとしても、「限られた期間で結果を出すためにどうすればいいか」を調べ、考え、実行し、結果を検証することによって成長できます。経験は無駄にはなりません。
直近の試験合格を目指し、トライして経験値を上げていくのが吉です。
過去問をチェックして距離感を掴む【ステップ2】
合格目標年度を決めたら、過去問にパラパラと目を通します。
目的は、次のとおり。
- 難易度を肌で感じる
- 自分の現在地と合格までの距離感を測る
- 科目別の得点計画作りの参考にする
初めて過去問に目を通したときは、その分野の勉強をしたことがない限り、さっぱりわからないと思います。
私も最初に見たときは、正直言って、わけがわかりませんでした。最初はそんなものです。
「やばい」と感じても、大丈夫。勉強するうちに、解けるようになります。
それに、「100点」を目指すわけではありません。むしろ、決して目指しません。
全部を理解して解けるようにならなくてもいいのです。
「過去問の分析」は不要
ちなみに、「過去問の分析」までは不要です。
理由は、テキストや通信講座を出している各予備校で分析してくれているから。自分で分析するのは時間の無駄です。ここは予備校任せでOKのところ。
過去問は、中小企業診断協会のホームページにPDFが掲載されています。
→ 中小企業診断士試験問題
正解と配点は、中小企業診断協会ホームページの「各年度の試験案内」のページにあります。参考に令和元年度のページへのリンクを貼っておきます。
→ 令和元年度 中小企業診断士第1次試験の正解と配点
科目別の得点計画(目標)を立てる【ステップ3】
ここから計画作りが始まります。
1次試験に合格するための得点戦略
1次試験の合格基準は次のとおり。
【中小企業診断士 1次試験の合格基準】
(1)第1次試験の合格基準は、総点数の 60% 以上であって、かつ1科目でも満点の 40% 未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
(2)科目合格基準は、満点の 60% を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
つまり合否判定の特徴は、
- 総点数の60%以上なら合格
- すべての科目で絶対60点取らなければいけないわけではない
- ただし、40点未満の科目が1つでもあると足切り
というところです。なので、基本的な戦略は、
- 得意(そうな)科目で高得点を目指す
- 不得意(そうな)科目は念のため60点を目指す
- どちらでもなければ65点を目安にする
- 全体で総点数の65%を目指す
となります。
得点戦略のねらい
上記の得点戦略では、総点数の「60%」ではなく「65%」を目標としています。理由は、「65%」を目指した方が合格確率が高くなるから。
目標と結果には、多少なりとも「ブレ」が生じます。その「ブレ」を吸収できる「バッファー」を持たせるということ。「60%」ねらいでは、ケアレスミス1つでも落ちる可能性があります。全体で「65%」を目標とした方が安心です。
ここで「バッファー」の役目を果たしてくれるのが得意科目。不得意科目で60点取れなかったとしても、その分を得意科目でカバーできていれば合格できます。
【注意】各科目の難易度は年によって大きく異なる
見出しのとおり、各科目の難易度(※)は年によって大きく異なります(例えば、平成29年度の「財務・会計」の科目合格率(科目合格者数÷科目受験者数)は25.7%だったのに対し、翌30年度は7.3%)。
そのため、「得意科目が難化していて、点を稼ぐことができない」という可能性もあります。なので、過度に得意科目に依存するのはリスキーです。得意科目は、「バッファー(合格確率を高めるためのリスクヘッジ)」という位置付けで考え、不得意科目でも60点を目指しておいた方が合格に近付けます。
【※科目別の難易度について】
詳しくは【最新版】中小企業診断士試験の合格率まとめ【気になる難易度】をご覧ください。試験対策にも有効です。
問題集・テキスト(通信講座)を用意する【ステップ4】
短期合格を目指す勉強法は、資格試験の王道「問題演習メイン」の勉強法です。
「問題演習メインに勉強し、計画的に復習する」という方法が、最も無駄なく効率よく合格するための勉強法。テキストや通信講座(の授業)は、サブ的な位置付けです。(問題集や過去問の使い方、復習の仕方など、効率よく合格するための勉強法については別途まとめていきます。)
受験までの全体計画を立てる前に、問題集・テキスト・通信講座をどれにするか決めて用意しましょう。理由は、「何をどれだけ進めるか」をスケジュールに落とし込むために必要だから。
スケジュールを立てるために必要なものは、スケジュールを立てる前に準備してしまいます。
目標点獲得のために「何をどれだけやるか」決める【ステップ5】
得点計画と教材を決めたら、それを達成するためにやるべきことを考えていきます。と言っても、最初から難しく考える必要はありません。たとえば、「経済学・経済政策の問題集を5回転させる」のように、「決めた教材を何回やるか」考えていけばOKです。
ただし、受験までに確保できる勉強時間は「1日・1週間・1ヵ月の勉強時間」と「受験日までの日数」によって決まります。
「ステップ6」以降で勉強可能時間を明確にして、全体スケジュールに落とし込んでいきますので、最終的には「実行可能な勉強量」に落ち着くよう調整していくことになります。
1日のスケジュール(時間割)を作る【ステップ6】
ここから「具体的な行動(勉強)計画=スケジュール」を作っていきます。まずは、1日のスケジュール(時間割)を立てましょう。勉強をルーティンに組み込みます。
生活習慣を見直して勉強をルーティンにする
勉強をルーティンにするために、生活習慣を見直しましょう。
ルーティンにするメリットは、「無駄なエネルギーを節約できる」こと。いつ勉強するかを決めず、ルーティンになっていないと、気分に左右されてしまうかもしれません。「勉強するときもあれば、しないときもある」というのでは不安定です。「決めた時間」に「決めたこと」をする方が、実はラクなのです。
安定した勉強時間を確保するため、ルーティン化しましょう。
勉強時間確保までの具体的な手順
具体的には、次のとおり。
- 1日のうち、最低限確保したい勉強時間を決める
- 1日のうち、いつ何分勉強するか考える
- 上記2項目と「睡眠・食事などの削減できない時間」をもとに、1日の時間割を作る
- すきま時間も勉強に活用する
「重要なものから先に確保していく」のが鉄則です。重要ではないものが入っているがために重要なものを入れることができないなんて、無駄の極み。重要なものは、真っ先に確保しましょう。
そうして最低限の時間を確保したうえで「すきま時間も使ってやる!」という二段構えがベストです。
【注意】睡眠時間は超重要なので先に確保する
注意点として、睡眠時間はしっかり確保しましょう。人間にとって睡眠は超重要だからです。
睡眠不足では、勉強の効率が低下します。睡眠時間を削って無理して勉強しても、続きません。前向きにもなれません。
最低でも6時間、できれば7〜8時間は取りたいところ。起きた時に頭がスッキリしてるくらいの睡眠を確保するのが理想です。
勉強するタイミングと勉強内容
日中働きながらでも勉強できるタイミングとしては、
- 朝
- 夜
- すきま時間
があります。
「それぞれの時間帯にあった勉強」をするのが効果的です。
おすすめは、次のとおり。
時間帯別のおすすめ勉強内容
- 朝の勉強
朝はアウトプット中心。
スッキリした頭で、問題演習にひたすら取り組みます。わからない部分を理解する、考えるのもこの時間で。「前日取り組んだ問題」や「寝る前にインプットしたこと」の復習から始めると、頭が温まってスムーズに勉強に入れます。
脳科学者の茂木健一郎さん言わく、「朝はゴールデンタイム」とのこと。次のように仰っています。
私たちは日中の活動を通して、目や耳からさまざまな情報を得ています。その情報は大脳辺縁系の一部である海馬に集められ、短期記憶として一時的に保管されます。その後に、大脳皮質の側頭連合野に運ばれますが、この段階では記憶は蓄積されているだけです。
それが睡眠をとることで、記憶が整理され長期記憶へと変わります。すると朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です出典:PHPビジネスオンライン衆知「脳科学者が勧める「朝時間」の使い方|「朝の3時間」は、最速で仕事がはかどるゴールデンタイム」
朝イチバンの脳の状態は入手した記憶が一度リセットされ、新たな情報を受け入れる準備もできているので、朝目覚めてからの3時間は、何か新しいことを始める上では最適な時間帯だと言えるわけです。
ゆえに朝の脳に良い刺激を与えることで、フレッシュな気持ちで仕事や勉強に打ち込めるのです。結果、1日の効率を何倍もアップさせることも可能になります。出典:茂木健一郎著「脳を最高に生かせる人の朝時間」
上記のとおり、朝は脳が活性化しているので、新たな問題を解きながら、考えたり、理解する、というアウトプット中心の勉強に適しています。それに、決まった時間に起きるのでルーティン化もしやすいです。
なので、朝メインの勉強をおすすめします。
- 夜の勉強
夜は「暗記系」や「朝勉強した中で覚えたいと思ったところを覚える」というインプットを中心に。
寝てる間に頭が整理され、記憶に残りやすいと言われています。ベッドで横になりながら、覚えるべきことを脳に送り込んでいきましょう。
この時間にガリガリとアウトプットしてると、頭が冴えて眠れなくなったり、睡眠の質が低下する恐れがあるので要注意です。(ただし完全に夜型の人は、自分の体質に合ったスタイルで勉強した方が良いと思います)
- すきま時間
すきま時間は、復習を中心に。
「思い出す」訓練をして、記憶へ定着させていきます。効率的に復習してるかしてないかで、大きく差がつきます。「やりっぱなし」では記憶に残りません。必ず復習が必要です。
はっきり言って、復習がキモです。すきま時間は徹底的に活用しましょう。「いつでもどこでも復習できる方法」なら、すきま時間を最大限に有効活用できます。
受験までの全体スケジュールに落とし込む【ステップ7】
最後に「受験までの全体スケジュール」に落とし込んでいきます。
スタート時のスケジュールは「ざっくり」でもOK
はじめから精緻なスケジュールを立てるのは難しい。というか、無理です。
そもそも「完ぺきなスケジュール」はありません。実際には、実行しながらPDCAを回して調整していくので、最初は簡単に作ればOKです。
スケジュール作りのポイント
スケジュールを作るときのポイントは、以下の3つです。
- 全体を「通常期」と「直前期」に分ける
- 「勉強の順番と重点科目」を踏まえる
- 実力チェックをする日を入れる
- あらかじめ予備日を入れる
- 詰め込み過ぎない
それぞれ、次のとおりです。
- 全体を「通常期」と「直前期」に分ける
「通常期」は理解を中心に。「通常期」の間に、全体(問題集やテキスト)を3〜5周程度できると良いと思います。
「直前期」は追い込み期。総復習しながら、暗記ものも一気に伸ばします。
- 「勉強の順番と重点科目」を踏まえる
中小企業診断士の1次試験は7科目もあります。どういう順番で進めていくか、どの科目を重点的に勉強するかは、合否を左右すると言っても過言ではないほど重要なポイントです。
詳しくは次の記事にまとめてあります。勉強可能な時間内で最良の結果を出すために、ぜひ参考にしてください。
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【合否を分ける】中小企業診断士に独学合格するための正しい順番
7科目もあるから、どんな順番で勉強すればいいかわからない 科目が多いから、先に勉強した科目を忘れてしまうのが心配 1科目ずつ勉強した方がいい?複数の科目を同時並行した方がいい? どの科目を、どれくらい ...
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- 実力チェックをする日を入れる
実力チェックをする日も、スケジュールに入れておきます。大学受験などでいう模試を受けるようなもので、現在地とゴールの距離を測るために必要です。具体的には、問題集や過去問での得点目標を立てておいて、実際に何点取れるかチェックします。
その結果をもとに、計画の改善をします。受験までの間に2〜3回はやっておいた方が良いでしょう。
例えば、次のようなスケジュール。
1回目:勉強開始日から試験日までの4分の1程度が経過したところ
2回目:2分の1程度が経過したところ
3回目:4分の3程度が経過したところ
- あらかじめ予備日を入れる
アクシデントなどで予定が変更になる可能性も当然あります。計画に多少遅れが出ることもあります。多少バッファーを持たせておくと、柔軟に対応できます。
- 詰め込み過ぎない
計画を立てているときはモチベーションが高いので、ついつい詰め込み過ぎてしまうものです。詰め込み過ぎて、スケジュールが消化できないと、モチベーションの低下要因にもなります。「ちょっとゆるめ」くらいの方が、無理なく続けられます。
スケジュールを実行しながらPDCAを回す
スケジュールは「一度作ったらおしまい」ではありません。PDCAを回して、実効性を高めていく必要があります。
念のためPDCAとは何かを説明すると、次のとおりです。
P:Plan(計画)
D:Do(実行)
C:Check(評価)
A:Action(改善)
「計画を立てる→実行する→チェックする→改善する(計画を見直す)→実行する→・・・」と繰り返して改善していく方法です。
「C」のチェックでは、次の2点を見ていきます。
- 計画(スケジュール)どおり実行できているか
- 計画(スケジュール)どおり実行すれば合格できそうか
スケジュールどおり実行できているか
日々のスケジュールを実行したら、スケジュール表やカレンダーなどにチェックを入れていきましょう。
目に見える形になることで、達成感が得られます。モチベーションの維持ができます。
もしスケジュールどおり実行できなければ、実行可能な計画に改善していけばいいだけのこと。「スケジュールどおりできなかった・・・」と落ち込む必要はありません。「勉強した」ということを目に見える形にしていきましょう。
実際に私が受験したとき、はじめのうちは頻繁にスケジュールの見直しをしていました。期間が短かったので、詰め込みすぎてしまい、実行不可能なスケジュールになってしまっていたからです。
改善を繰り返すうちに精度が上がっていくので、大丈夫です。
スケジュールどおり実行すれば合格できそうか
スケジュールどおり実行しても全く合格できそうにないなら、当然見直しが必要です。(前述したとおり、合格までの距離を測るため、計画には「実力チェックをする日」を入れておきます)。
忘れてしまっているなら、繰り返す回数を増やしたり、覚え方を工夫して見たり。
理解が不足しているなら、テキストや通信講座で重点的に勉強したり、ネットで調べてみたり。
やり方はいろいろあります。
とは言っても、「問題集や過去問を何周もする」という勉強法は、直前期に一気に伸びるので、実力チェックで「実力不足」を感じても、そんなに気にする必要はありません。
中小企業診断士の独学スケジュールまとめ
ここまで、中小企業診断士の独学スケジュールの立て方についてお伝えしてきました。長くなってしまったので、最後にポイントをまとめておきます。
- 「受験を決めた時」に行動を開始する
- 「スケジュール」の前に「目標を達成するための計画」が必要
- まず目標(「いつの試験」に「どの科目で何点取って合格する」のか)を明確にする
- 目標を達成するために「何をどれだけやるのか」明確にする
- 脳の特性も踏まえた「1日の時間割」を作って勉強をルーティンにする
- 「すきま時間にやること」を決めて徹底的に活用する
- やるべきことを受験までの全体スケジュールに落としこむ
- あらかじめ予備日を入れるなどして余裕を持たせる
- PDCAを回して改善する
しっかり計画・スケジュールを立てるだけで、圧倒的に合格に近付くことができます。ぜひ参考にしてください。